小沢氏が代表を務める資金管理団体「陸山会」が土地を購入した際の資金の流れを解明すべく、先日行われた小沢氏への聴取。当初、参考人として聴取する予定が、直前になって市民団体が提出した告発状が受理された事で、急遽「被告発人」と言う立場で聴取を受ける事になった同氏。その後、記者会見も行われたが、主要全国紙は小沢氏の説明をどう見たのか。今回は会見後に掲載された主要各紙の社説を読み比べ、その違いや雑感を書きたいと思う。
【本人の関与は否定するもなお残る疑問】 会見で小沢氏は、4億円の出所について自宅売却や家族名義の口座から引き出して金庫に保管していたと語り、ゼネコンから受け取った裏献金であると言う一連の報道については否定し、収支報告書の虚偽記載についても関与していないと語った。
これについて、各紙社説は「疑問が残る。」と論評している。但し、社説の論調にそれぞれ特徴が出ている。
朝日や毎日は「疑問が残る」以上の論評はしていない。読売も「疑問が残る。今後更なる説明が必要だ。」と言う書き方をしており、この3紙については、どちらかと言うと「優しめ」の口調となっている。自民党が与党の時は、あれだけ叩いた朝日新聞のこの論評には少し首を傾げたくなる。
これに対し日経は「説明になっていない。」、産経が「何ら潔白の証明にはなっていない。」と強い口調で批判している。関連する全ての記事を読んでいる訳でははないが、産経は民主党政権に対し辛口の論調が目立つような気がする。
【民主党及び検察の対応に関して】 捜査に圧力を掛けていると受け取れる言動が目立つ民主党。この事件にやたらと力を入れていると言われている東京地検特捜部。両者に関して言及している社説、していない社説と分かれた。
朝日は「民主党は説明を求めている野党の要求に応えるべきである。」、「捜査の進展を見守るしかない。」と論評。毎日も「民主党は積極的に対応すべき。」、「検察は公正な立場でさらに捜査を尽くすべき。」、読売は民主党の対応には言及しておらず検察に対して「事件の全容解明」と「節目での説明」を求めるような論調になっている。ここまでは、双方にとってそれほど辛口ではないように思える。
これに対して日経は、鳩山政権含めて民主党は検察批判を繰り返すばかりで、「政治とカネの問題」にまつわる国民の不信感を真剣に受け止めていないと、与党の姿勢を強い口調で批判しており、検察についてもなぜ国会会期中のこの時期なのか疑問を投げかけている。
産経は民主党に関しては、一連の検察批判が厳正中立な捜査を妨害し、疑惑解明を遠のかせている、と論じているが、検察については今回の資金問題にメスを入れた事に一定の評価をしているような論調となっている。「…これからが検察の正念場だ」と言うタイトルで掲載されているが、まるで「検察応援隊」のような雰囲気を醸し出している。
ここまでは全国主要紙の社説を紹介したが、では地方紙は今回の会見をどう見ているのか。一例として、我が故郷仙台の地元紙である河北新報を取り上げてみた。同紙の論調はこうである。
「民主党は政治主導をうたい文句に政権交代を果たしたが、今回の件で急に取り調べの可視化法案提出を画策する等、本来介入してはならない捜査にも政治主導を導入しようとしている。報道批判、検察批判をし続ける危険をはらむ政権党の空気が変わらない限り、この事件の早期解決は望めない。」と民主党の姿勢を批判している。
米軍基地移設問題、八ツ場ダム建設問題などに加え、自民党が与党だった時と同様、「政治とカネの問題」が重くのしかかった民主党。多くの難題を抱える鳩山政権、与党である民主党が果たして持ちこたえられるのか。政局は早くも重大な局面を迎えようとしている。

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posted by スポーツ職人201X at 23:48| 東京 ☀|
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