第86回東京箱根間往復大学駅伝(箱根駅伝)最終日は3日、芦ノ湖から東京・大手町までの復路5区間109.9キロに19校と関東学連選抜の計20チームが参加して争われ、前日の往路首位の東洋大が合計タイム11時間10分13秒で2年連続2度目の総合優勝を果たした。
昨日(2日)行われた往路5区の山上りで、柏原選手が前回大会に続く快走を見せトップに立った東洋大学は復路の各区間でも、各選手が安定した走りを見せ首位を一度も明け渡す事無く優勝を決めた。
2位には前回大会、シード落ちした駒澤大学が往路8位から追い上げて入り復路優勝。3位には山梨学院大学が食い込んだ。
この他、城西大や東京農大、青山学院大などが、次回大会シードとなる上位10チームの中に入り、出雲駅伝、全日本大学駅伝に続き3冠を狙った日本大は15位に終わり8年ぶりにシード権を逃した。
【第86回箱根駅伝最終順位(上位10チーム)】1位 東洋大 (往路1位、復路2位)
2位 駒澤大 (往路8位、復路1位)3位 山梨学院大(往路2位、復路7位)
4位 中央大 (往路4位、復路4位)
5位 東京農大 (往路5位、復路5位)6位 城西大 (往路10位、復路3位)7位 早稲田大 (往路7位、復路10位)
8位 青山学院大(往路9位、復路11位)9位 日本体育大(往路3位、復路17位)10位 明治大学 (往路6位、復路14位)
以上、次回大会(第87回大会)予選免除(シード)大学
太字は予選会を勝ち上がった大学
<コメント> ここ数年、有力選手が各大学に分散し、戦力が均衡化する傾向にある事から「戦国駅伝」と称される大学の駅伝競走。混戦が予想された今大会も結果的には前回からシード校がおよそ半分入れ替わり、出雲、全日本大学では強さを見せ付けた日大が、上位進出はおろかシード権を逃す等、「戦国駅伝」を象徴すると共に、全ての大会をトップコンディションで迎える事がいかに難しいかを感じさせられる大会であった。
その中で東洋大学が連覇を達成したのは見事の一言に尽きる。今や山上りのスペシャリストと呼ぶのに最も相応しい選手となった柏原選手が1人で優勝をさらったように見えるが、柏原選手が作った貯金を復路で使い果たすどころか、逆に貯金を作り各選手が安定した走りを見せた。
前回大会時に書いたブログ(旧ブログ:
不定期更新のスポーツニュース)を振り返った所、各区間のレース展開をコメントしていたので、今大会は東洋大学以外の注目大学のレース振りについてコメントしたい。
【名門復活の足掛かりとなるか?次回大会に期待…駒澤大】 1区で大きく出遅れ(18位)、その後も低迷を続けシード権奪還に黄色信号が灯り始め小田原中継所へ。しかし、5区の山上りで深津選手がこの苦しい状況を打開し、区間4位の成績を収め往路8位とシード圏内に食い込んで復路へ。
復路で、下級生の千葉、井上選手らが快走を見せて徐々に順位を上げて、9区高林、10区藤山選手がきっちり纏めて2位に食い込み、前回大会シード権を逃した悔しさを晴らした。1、2年生が多いだけに来年以降、東洋大を脅かす1番手として期待出来る。
【有力選手揃い、今度こそ総合優勝と期待されたが…早稲田大】 1区矢澤選手が2位と期待通りの走りを見せ上々の滑り出しを切ったが、2区で順位を下げた。その後、3区で3位に順位を上げたもののそれ以降再び順位を下げて以降は見せ場を作る事が出来ず7位に終わりシード権確保がやっとと言う結果に終わった。東洋大学を脅かす1番手と期待されただけに残念な結果である。
【前半大いに見せ場を作りレースを面白くした…明治大】 今大会往路を面白くしたのは、明治大学だろう。1区をトップで通過すると、その後も快調に飛ばし4区までトップを守った。5区の山の上りで力尽きると、その後は見せ場を作る事が出来なかったが、何とか10位に入り前回大会に続いてシード権は確保した。
【留学生以外の選手が振るわず名門まさかのシード落ち…日本大】 出雲駅伝、全日本大学駅伝に続き3冠を目指した日大は2区ダニエル選手の区間賞を獲得する快走で2位になり、その後も上位をキープしていたが5区笹崎選手がブレーキとなって、順位を大きく下げると復路でも挽回出来ずシード権を失った。
この他、東海大学も2区でルーキー村澤選手が期待通りの走りを見せたもののシード権奪還には至らなかった。
かくして東洋大学の強さが際立つ結果に終わった86回目の箱根駅伝。果たしてこのまま東洋大学の時代が長く続くのか。それとも駒澤大学など優勝経験のある強豪校の巻き返しはあるのか。そして、予選でシード落ちした順天堂大学などの復活は…。「戦国駅伝」と称される大学駅伝。話題が多くなるであろう2010年も注目したい。

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posted by スポーツ職人201X at 16:58| 東京 ☀|
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