試合は前半で2−0とリードした滝川第二が後半も追加点を上げ4−1とリードした。後半終了間際に久御山の猛攻に遭い、1点差まで詰め寄られたが何とか逃げ切った。
一方、最後まで諦めなかった久御山は1点差まで追い上げたがその直後、5点目を奪われ力尽き初優勝を逃した。
【第89回全国高校サッカー決勝結果】
滝川第二(兵庫) 5−3 久御山(京都)
(得点者)
前24分 浜 口(滝二)
前40分 樋 口(滝二)
後 9分 本 城(滝二)
後12分 林(久御山)
後14分 浜 口(滝二)
後39分 安 川(久御山)
後41分 坂 本(久御山)
後45分+5分 樋 口(滝二)
<コメント>
過去、幾多の名勝負が繰り広げられ、また幾多の名選手を輩出して来た高校サッカー。89回目となる「冬の風物詩」の覇権は、かつて主会場として開催されていた事もある近畿の高校によって争われた。最近でこそ優勝から遠ざかっている近畿勢だが、旧制中学から続く歴史の流れを汲む高校サッカー。その礎を築いた地域である。
滝川第二は2人の強力フォワードを中心とした攻撃サッカー。久御山はパスを繋いで相手ゴールに迫るサッカー。互いの持ち味が出た見応えのある決勝戦だった。
特に印象的だったのが、今大会チームが上げた得点の半分以上を稼いだ滝川第二の2トップの破壊力。フォワードと言うポジションの存在意義を示し、こういう風に仕事をするのだ、と言うのを存分に見せ付けた。
そして3点差を付けられても最後まで諦めなかった久御山イレブンのひたむきな姿も印象的だった。試合を見てて「諦めたらそこで終わりである。」と言う、ある漫画のセリフが頭を過ぎった。「諦めない」と言う高校スポーツ、部活動の原点のような物を見た。
他の高校のスポーツもそうだが、最近は高校サッカーでも勝負に徹する傾向がありそれが良いのかどうか賛否が分かれる所だが、今回決勝に進んだ両校は点を取っても取られても、とにかく貪欲にゴールを狙った。勝負も大事だと思うが、それよりも大事なもの・・・。「仲間を信じ、自分らしさを失わない事」。そんな事を教えてくれたような気がする。
近年、この世代はJクラブユースがクローズアップされ、秋に行われる全日本ユースを見ても、チームとしてのピークが違うとは言え高校のチームが勝つ事が難しくなっている。確かにJリーグのユースクラブに所属する選手の方が高いスキルを有しているのかも知れない。しかし高校サッカーには高校サッカーの良さがあると言う事を改めて実感した89回目の冬の風物詩。今回出場した選手の、次のステージでの活躍に期待したい。

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