試合は鹿島が前半26分、CKからフェリペ・ガブリエル選手が頭で合わせて先制点を上げると追いつかれた後の後半32分に野沢選手がFKを直接相手ゴールに決めて2−1とリードし追いすがる清水を振り切った。
【天皇杯第90回全日本選手権決勝結果】
鹿 島 2−1 清 水
(得点者)
前26分 フェリペ・ガブリエル(鹿 島)
後 4分 ヨンセン(清 水)
後32分 野 沢(鹿 島)
<コメント>
年が明けて2011年。正月気分が漂う世の中であるが、サッカーの聖地、国立競技場のピッチは、そんな「おとそ気分」とは無縁の世界である。
元旦恒例のサッカー天皇杯決勝。90回目となる今大会、このステージに立ったのはJリーグ4連覇を逃した鹿島アントラーズと、長谷川監督の他にも、これまでチームを支えて来た数名の主力選手が退団し、来シーズンはチームカラーが大きく変わる可能性がある清水エスパルス。そしてこの試合を裁くが、鹿島にとっては因縁の家本SR。アジアチャンピオンズリーグ(ACL)出場権も懸かる両チームにとって大事な一戦は、両チームのサポーター、多くのサッカーファンが見守る中で行われた。
試合の前半は鹿島が試合の主導権を握り清水に決定的な場面を作らせず、先に点を取って終了した。後半は清水が徐々にペースを掴み同点に追い付いた。しかし、是が非でもACL出場権を獲得したいと言う鹿島の執念が実ったのだろうか。本山選手を投入しリズムを取り戻した後半32分、野沢選手がFKを相手ゴールにねじ込みタイムアップ。4度目の天皇杯を掲げた鹿島がACL出場権を獲得した。
Jリーグでは後半失速し、残念な結果に終わった鹿島アントラーズ。ベストメンバーではなかった天皇杯決勝を制し層の厚さを示したが、大岩選手、マルキーニョス選手と言った主力選手がチームを離れる来シーズン。タイトな日程の中で優勝争いをするには、やはり世代交代が求められるシーズンとなるのだろうか。大迫選手など期待の若手がどこまで伸びるか。2007年から指揮を執るオリヴェイイラ監督が来シーズンはどのような采配を見せるのか興味を持って見てみたい。
一方、長谷川監督が今シーズン限りで退任する清水エスパルス。決勝の相手は奇しくも天皇杯を制した10年前と同じ鹿島アントラーズだったが、返り討ちとは行かなかった。試合後、「2位は過酷だ」と語った長谷川監督の無念さが滲み出たコメントが印象的だった。優勝こそ逃したが晴れの舞台までサポーターを導いた。目を覆う試合内容であれば別だろうが、この成績を批判するサポーターは少ないと思う。しかし、やはり優勝チームが壇上でカップを掲げるシーンを見る事ほど悔しい事はないだろう。長谷川監督の他に日本代表でも活躍する岡崎選手や長年チームを支えた伊東選手等、多くの選手がチームを離れる。指揮官が代わりどんなチームカラーになるのか分からないが、この悔しさをバネに来シーズンこそタイトルを獲得し、Jリーグを盛り上げて欲しい。
これで2010シーズンの全日程を終えた日本のサッカー。W杯での躍進、選手の海外移籍ラッシュ等、今後に期待を抱かせるシーズンだったが、2011年は果たしてどんな事が起きるのか。まずはおとそ気分も抜けきらない内に始まるアジア杯に注目したい。

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