男子はショートプログラム(SP)で首位に立っていた織田選手はジャンプで転倒する等、精彩を欠き2位に終わった。今季グランプリシリーズ2勝の小塚選手はSP4位から3位に順位を上げ、SP3位につけていたバンクーバー五輪銅メダリストの高橋選手はフリーでミスが目立ち4位に順位を下げた。期待された日本男子のGPファイナル初制覇は来年以降に持ち越しとなった。
一方の女子は、今シーズンがシニアデビューとなった村上選手が2位に0.01ポイント差の3位と健闘し、2014年ソチ五輪へ鮮烈な世界デビューを飾った。その他、鈴木選手が4位、安藤選手はフリーでトップだったものの、SPでのミスが響き5位に終わった。
優勝したのは、男子が カナダのパトリック・チャン選手、女子がアメリカのアリッサ・シズニー選手だった。
【グランプリファイナル結果】
◎男 子
1 パトリック・チャン(カナダ)(2) 259.75
2 織田信成(日 本)(1) 242.81
3 小塚崇彦(日 本)(4) 237.79
4 高橋大輔(日 本)(3) 219.77
◎女 子
1 アリッサ・シズニー(米 国) (1) 180.75
2 カロリーナ・コストナー(イタリア)(2) 178.60
3 村上佳菜子(日 本)(3) 178.59
4 鈴木明子(日 本)(4) 173.72
5 安藤美姫(日 本)(5) 173.15
カッコ内の数字はSPの順位
<コメント>
人々を熱狂の渦に巻き込んだバンクーバー五輪が行われたのが今年の2月。それが終わり、最初のシーズンとなる2010−2011シーズン。グランプリシリーズで好成績を収めたシングル男女合わせて12選手の内、日本人選手が6人進出した事もあり、改めて日本のフィギュアスケートのレベルの高さを示したと共に優勝の期待が高まったが、チャンピオンを決めるグランプリファイナルで一番高い所に立つ選手は現れなかった。
それぞれの選手にとって次の最大目標は2014年のソチ五輪。そこに辿り着くまで、浮き彫りになった課題を1つ1つクリアする段階と言えるこの時期。4年に1度の祭典が終わって次のシーズンと言う事もあり、恐らくモチベーションを維持する事が難しい時期なのだろう。この大会で納得行く演技が出来たと言う日本人選手はいなかったと思う。それぞれにミスが出た。しかし上に書いた通り、次のオリンピックへの戦いは始まったばかりである。課題が出た事をプラスに捉え、次の演技で克服出来るよう精進して欲しい。
そんな中、唯一納得の演技が出来たと言えるであろう村上選手。今シーズンがシニアデビューとなったが、まさに彗星の如く現れたニューヒロインと言える。今回の結果、そしてこの後行われる全日本選手権の結果次第では、メディアが今以上にこぞって取り上げる事になると思う。安藤選手や今大会進出を逃した浅田選手が注目され始めた時と同じように、オリンピックまで周囲のプレッシャーとも戦わなければならない可能性も出て来るが、今回のように躍動感溢れるスケーティングを続ける事が出来るか。今後の活躍に注目が集まる。
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