また日本×アメリカの3位決定戦は日本が3−2でアメリカを下し、この大会32年ぶりのメダルを獲得した。
バレーボールの女子世界選手権。次回大会は2014年にイタリアで行われる。
【バレーボール女子世界選手権最終成績(1位〜12位)】
1 ロシア(1)
2 ブラジル(2)
3 日 本(6)
4 アメリカ(9)
5 イタリア(4)
6 トルコ(10)
7 ドイツ(11)
8 セルビア(3)
9 ポーランド(2次)
10 中 国(5)
11 オランダ(8)
12 キューバ(7)
カッコ内の数字は前回大会の順位。「2次」は2次ラウンド敗退。
<コメント>
バレーボールの女子日本代表が世界選手権で表彰台に上ったのが32年前。オリンピックでは1984年のロサンゼルス大会が最後となりそれ以降、外国勢の台頭でメダルからは遠ざかり、オリンピックに出られない事もあった。ソウル五輪で試合後、中田選手が人目はばからず悔し涙を流しているシーンが今でも思い浮かぶ。
今回のメダル獲得は若い世代にとっては新鮮に映っただろうし、我々30、40代のファンにとっては悔しい思いをし続けて待ちに待った復活劇だったと言えるだろう。栄光の時代を知っているその上の世代にとってはその思いは更に強かったのではないだろうか。
決勝の舞台に手を掛けながら寸前になって滑り落ちた前日の敗戦のショックが心配された。メダルを懸けたアメリカ戦で先にセットを奪われズルズル行くのかと思いきや、そこから盛り返した。準決勝では奪う事の出来なかったファイナルセットを、相手のミスはあったにしろ一方的に奪い取りこの大会での目標だったメダルをもぎ取った。最後まで諦めなかった選手の姿を見てこのチームが成長した事を実感出来たし、ロンドンオリンピックに向けて更に期待の持てる締めくくりだったと思う。
これまで外国勢に苦しめられ、その壁に挑んでは跳ね返された先達の無念をも晴らし銅メダルを獲得した火の鳥NIPPON。これでロンドンオリンピックに向けて弾みがついた事は確かである。
だからこそ敢えて厳しい言い方をするが今大会がゴールではなく、あくまでオリンピックでメダルを取る事が最大目標であるはず。今回の快挙は喜ばしい事だがオリンピック出場が決まった訳でもなければメダルが保証された訳でもない。選手、関係者は分かっている事だと思うがいつまでも銅メダルの余韻に浸っていると再び世界の壁に打ちひしがれる事になるだろう。今大会は好成績を収めた日本が今後、この位置を保持し或いは上に行く為には今まで以上に選手も指導する側もレベルアップする必要があると思う。
今大会、決勝に勝ち残った2チームはともかく、それ以外のチームは実力が拮抗していたように見える。準決勝にコマを進めたアメリカは2次ラウンドでイタリアに敗れ、そのイタリアも今大会振るわなかったキューバ戦で星を落とす等、試合の流れ次第では上位陣の顔触れが変わる可能性もあった。それは日本にも言える事で決勝に残る可能性もあったし、逆に接戦となった初戦のポーランド戦を落としていればこの躍進はなかったかのも知れない。同じアジア勢の中国に勝つ事は出来ず課題も残った。
次の大きな大会は来年行われるワールドカップ。オリンピックの出場権も絡むだけに各チームとも今大会以上に仕上げて挑む事になるだろう。今度はマークされる立場となる日本が再び躍進を遂げる事が出来るか。2010年に復活した「お家芸」。今回の姿が本物かどうか真価が問われる事になる。

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