この内、東京対決となった関東一×早稲田実の一戦は点の取り合いとなったが、関東一が早稲田実のエース、鈴木投手を打ち崩し、終盤追い上げを見せた早稲田実をかわして25年ぶりにベスト8にコマを進めた。
この他、好投手中川投手擁する成田が北大津に逆転で勝って58年ぶり、地元報徳学園、春夏連覇を狙う興南も順当に勝ちベスト8に進出した。
準々決勝は18日、19日に2試合ずつ行われる。
【大会第11日試合結果】
◎3回戦
成 田 000 000 501 | 6
北大津 102 000 020 | 5
早 実 000 200 103 | 6
関東一003 020 41X |10
報徳学 002 112 205 |13
佐賀学 010 001 030 | 5
仙育英 010 000 000 | 1
興 南 211 000 00X | 4
【準々決勝組合せ】
◎18日の試合
関東一(東東京)×成田(千葉)
興 南(沖縄)×聖光学院(福島)
◎19日の試合
九州学院(熊本)×東海大相模(神奈川)
報徳学園(兵庫)×新潟明訓(新潟)
<コメント>
甲子園球場で15日間に渡り行われている夏の全国高校野球。大会も終盤に差し掛かりベスト8が出揃った。
今大会前半は九州勢の活躍ぶりが目を引いたが、同じ九州勢同士の争い、いわゆる潰し合いの試合もあって残ったのは、興南と九州学院の2校となった。それ以上に目立つのが関東以北の高校の勝ち残り。特に昨年に続いて残った新潟勢(新潟明訓)や福島勢(聖光学院)と言った、かつて「雪国のハンデ」と言うレッテルを貼られ、高校野球で決して強くない地域の高校が大阪や福岡等、激戦区を勝ち上がって来た高校を接戦或いはソツのない野球をして下しベスト8にコマを進めて来た事が特徴として挙げられるだろう。
新潟明訓の監督が試合後、「昔と違い交通網が発達して遠征しやすい環境となった今、雪等を言い訳にして負ける事が出来ない環境になった。」と語っていた新聞記事を見た。北海道の駒大苫小牧や公立の佐賀北が優勝してから、上に書いた「〜のハンデ」と言うようなフレーズは死語となりつつあると共に、今大会の新潟明訓等の躍進は、かつて存在した地域間の格差が無くなって来ている事を示している。それとシーズンオフの対外試合が禁じられている事も影響しているだろう。
指導者の情熱、選手の努力、ライバルの存在があればどのチームでも深紅或いは紫紺の優勝旗を手にする事が出来うる時代になったと言えるのかも知れない。
さて、深紅の大優勝旗を得る為に乗り越えなければならない山は後3つ。春夏連覇か。地域及び学校を含めた悲願の初優勝か。それとも好投手擁する伝統校の手に渡るのか。「筋書きのないドラマ2010夏 〜第2幕〜」は、いよいよクライマックスを迎えようとしている。
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