更に日本相撲協会は7日、野球賭博問題を考慮して、幕内優勝力士に贈られる天皇賜杯や内閣総理大臣杯など全ての表彰を辞退すると発表した。1926年に始まった賜杯の贈呈を取りやめるのも史上初めて。ただし、優勝旗授与や三賞など協会の表彰は従来通り行う。
<コメント>
ここ数年、起きている不祥事への対応を見ると自浄能力はないといわざるを得ない日本相撲協会。それでもしがらみを断ち切って貴乃花親方が理事に就任した事でほんの少しではあるが、明るい兆しが見えたかに思われた。
しかし、その後観戦チケットを巡って相撲協会が排除を謳っている「反社会勢力」との付き合いが明るみに出て、ついに「野球賭博」と言う所まで行き着いてしまった。堕ちる所まで堕ちてしまったな、と言うのがこの報を聞いた時の率直な感想である。
今回NHKは生中継での放送を中止する決断を下したが、その後「中継して欲しい」と言う要望が多く寄せられたらしい。警察の捜査でこの騒動がどこまで広がるかにもよるが、多くの力士が関わっていない現状を見ると、相撲ファン、特に夕方が来るのを楽しみにしているお年寄りの気持ちは理解できる。しかし中継を行わない事で、視聴者に目に見える形で相撲界が生まれ変わった事を示すべき、と言う公共放送たるNHKの考えも理に適っている。また、ダイジェスト放送を行う事で今回は「イエローカード(限りなくレッドに近いと思うが…。)」を提示するが、同じような不祥事を起こしたら次は「レッドカード」=ダイジェストも含めて放送を行わない、と言う意思表示をしたような気もする。
NHKから見放される寸前の所まで来てしまった相撲界。果たして変わる事が出来るのかと言うと、ここまで批判され尚、危機感が感じられない親方衆の言動や振る舞いを見ていると事はそう簡単に運ばないような気がする。今回の野球賭博に関する不祥事は手を染めてしまった力士本人が悪いのは確かだが、それを見過ごしてきた親方衆にも責任はある。相撲を教えるだけが「師」の仕事ではないと思うのだが…。規定上の処分を受けて、ほとぼりが冷めるのを待っているだけのような気がしてならない。相撲協会は公益法人を返上して、一から出直す所まで堕ちてしまっている事を認識していないのだろうか。このままではNHKどころかファンにも見放なされてしまうだろう。日曜(11日)夕方からの15日間、テレビに力士の姿が映し出される事はないのである。
江戸時代から続く伝統ある日本の国技。史上最大と言っても良いであろう、存亡の危機を迎えようとしている。

→今回の事を契機に相撲界は膿を出し切るべきである、と思う方はクリックをお願い致します。
http://grouch.flexpromotion.com/index.php?UID=1278423540