試合は日大三が2回に相手のエラーで2点を先制したが、興南は6回に集中打で逆転した。その後、日大三が本塁打等で同点に追い付き試合は延長戦へ。迎えた12回表に興南が5点を挙げて勝ち越し試合を決めた。興南のエース、島袋投手は序盤制球を乱し先制点を許すと、その後も本塁打を浴びるなど試合の前半は苦しい投球が続いたが7回以降は日大三打線を抑えた。
一方、日大三は前半、試合の主導権を握ったが、後半は相手エースの島袋投手に自慢の強力打線が抑えられた。勝負所で走者を進められなかったり、エラーが出るなど細かなミスが出たのが痛かった。
【第82回選抜高校野球決勝試合結果】
興 南 0 0 0 0 1 4 0 0 0 0 0 5 10
日大三 0 2 1 0 0 2 0 0 0 0 0 0 5
<コメント>
82回目を迎えた春の風物詩、選抜高校野球大会。途中雨による2日間の順延を挟んで決勝の舞台にコマを進めたのは、好投手島袋投手を擁し3度目となる甲子園大会で初勝利を挙げた興南と、昨秋の東京大会ベスト4ながら、自慢の強力打線が花開きここまで勝ち進んで来た日大三の2校。
島袋投手に対し日大三の打線がどのように挑むかで注目されたこの試合は、試合の流れが二転三転する好ゲームとなった。
優勝した興南はここ一番の打線の集中力も見事だったが、やはり延長戦を一人で投げ切ったエース島袋投手の活躍に尽きるだろう。
試合の前半は自らのけん制悪送球で先制点を招くなど浮き足立っていたが、チームが逆転し流れを掴み掛けた7回以降はほぼ完璧なピッチングで相手の強力打線を抑える込んだ。決勝まで見事なピッチングを見せた「沖縄のトルネード」。ラストステージとなる夏にどんな姿で帰って来るのか。将来楽しみな選手である。
一方、ここまで圧倒的な攻撃力で相手を倒して来た日大三。この試合も2本の本塁打で食らいついたが、11回の裏、バントで走者を進められなかった事や12回表にエラーで勝ち越しを許す等、肝心な所でミスが出たのが痛かった。こちらも山崎投手と言う好投手がいるだけに、虎視眈々と代表の座を狙う高校が多数ある激戦区西東京を勝ち抜くには、今回出た課題を克服出来るかどうかがカギとなるだろう。
史上稀に見る激闘で幕を閉じた「筋書きのないドラマ2010春」。だが、4月になると新入生も加わりいよいよ高校野球のシーズンの本格的な幕開けとなる。次のステージでどんな選手が出て、どんなドラマが生まれるのか。灼熱の太陽の下で行われるであろう夏の舞台に出る為の勝負は既に始まっているのである。
→夏の舞台にどんな選手が出て来るのか今から楽しみだ!!と言う方はクリックをお願い致します。