レースは最後の直線でキンシャサノキセキやビービーガルダン等ががなだれ込み大混戦となったが、僅かにキンシャサノキセキがハナ差制した。2着に入った6番人気のビービーガルダンは、昨秋のスプリンターズステークスに続き僅かの差でGTタイトルを逃した。また、このレースが引退レースとなった2番人気のアルティマトゥーレはスタートでつまずいた事が響き5着に終わった。
春のGTシリーズ第2弾、桜花賞は4月11日、阪神競馬場で行われる。
【第40回高松宮記念競走成績】
1着 キンシャサノキセキ 四位洋文 1分08秒6
2着 ビービーガルダン 安藤勝己
3着 エーシンフォワード 岩田康誠
4着 サンカルロ 吉田 豊
5着 アルティマトゥーレ 横山典弘
<コメント>
昨年のスプリント王、ローレルゲレイロがドバイ遠征で出走しなかった春のスプリントチャンピオン決定戦、高松宮記念。注目を集めたのは、これが引退レースとなるアルティマトゥーレと、悲願のGT獲りに挑むキンサシャノキセキ。父は共に平成の大種牡馬、サンデーサイレンスの後継馬として活躍するフジキセキである。
しかし前者は国内産。一方の後者は外国(オーストラリア)産であり正式には「FujiKiseki」と言う表記になる。同じ父を持ちながらそんな違う顔を持つ両馬が人気を集めてレースが行われたが、スタートで明暗が分かれる結果となった。
まず、これまでG1タイトルに手が届きそうで届かなかったキンサシャノキセキはここまで重賞3連勝と絶好調。その好調ぶりをこのレースでも見せ付けた。短いゴール前の直線でいち早く抜け出すと、2着に入ったビービーガルダン以下、後続馬とのゴール前での壮絶な叩き合いを制し春のスプリント王の称号を手にした。これまでGTレースでは惜敗続きだったが、ようやく報われる時がやって来た。日、仏、伊の名手に導かれ本格化した遅咲きのスプリンター。この後、どのように進化するのか楽しみだ。
一方、引退の花道を飾るべくこのレースに臨んだアルティマトゥーレはスタートでそのシナリオを閉じる事となってしまった。最後の直線で追い込んで来ただけに悔やまれるスタートでのつまづきだった。レース後、横山典騎手が語った「あんなところで何でつまずくかな。」と言う言葉がその悔しさを物語っていた。
今年も始まった春のGTシリーズ。次回はいよいよクラシックレース、桜花賞である。昨年辺りから陰りが見え始めたとは言えGTには欠かせない存在の武豊騎手が怪我で参戦出来ないのは残念だが、人馬とも主役となり得るニューヒーロー或いはニューヒロインは果たして現れるだろうか。予想しつつ楽しみたいと思う。

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