大方の予想通りテイエムプリキュアが逃げる展開となり、最後の直線でいち早く抜け出したスノーフェアリーが目の覚めるような末脚で他馬を引き離し、2着だったメイショウベルーガに4馬身の差を付け圧勝した。
秋のGTシリーズ。次回はマイルCSが21日に京都競馬場で行われる。
【第35回エリザベス女王杯競走成績】
1着 ▲スノーフェアリー ムーア 2分12秒5
2着 ◎メイショウベルーガ 池添謙一
3着 〇アパパネ 蛯名正義
4着 △リトルアマポーラ 福永祐一
5着 ヒカルアマランサス ルメール
<コメント>
3冠牝馬アパパネ、古馬の代表格メイショウベルーガ等が参戦した秋の最強牝馬決定戦。これらの馬を押しのけて制したのは競馬の本場イギリスから送り込まれた刺客、スノーフェアリーだった。
いや恐れ入った。格が違う。レースを見た後の率直な感想である。それほど衝撃的な最後の直線での脚さばきだった。そして秋深まる淀の舞台に集まった競馬ファンを虜にした。最後の直線で素早く内ラチ沿いに位置を取ったかと思うと、瞬く間に抜け出し他馬を全く問題にしなかった。その「瞬間芸」に人気を集めたアパパネもメイショウベルーガも全く歯が立たなかった。日本の堅い馬場に対応出来るかがポイントの1つだったが、馬場の内側の方が多少緩かったようで、それも功を奏したのだろう。それを見抜いたムーア騎手のファインプレーでもある。人馬一体。この言葉がまさに当てはまる圧勝劇だった。
2着、3着は着順は逆になったが人気通りの結果だった。逃げたテイエムプリキュアの脚が止まり最後の直線での追い比べ。中団から後方に位置し直線勝負に懸ける有力馬にとっては想定された中でも最良のレース展開となったが、遥か先を行く英オークス馬の強さを引き立てるに過ぎなかった。ムーア騎手と凱旋門賞でデットヒートを繰り広げたアパパネに騎乗した蛯名騎手にとっては借りを返す絶好のチャンスだったがその舞台を作り出す事は出来なかった。「年間グランドスラム」の期待もあったアパパネはやはり秋華賞がピークだったようで、改めて3冠レース後の調整の難しさを浮き彫りにする結果となった。
勝ったスノーフェアリーは状態が良ければジャパンカップに出走するとの事。淀を席巻した豪脚が、今年ラスト開催となる府中の森でも炸裂するのか。その時が来るのが楽しみである。

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