3回表に先制点を許した千葉ロッテはその裏すぐさま同点に追い付くと4回裏、満塁のチャンスに清田選手が走者一掃の3塁打を放つ等、一挙4点を追加し勝ち越しに成功した。先発の渡辺(俊)投手は、持ち前の緩急をつけた投球で中日打線に突け入るスキを与えず完投した。
一方、中日は先発の山井投手が4回に捕まり降板。第2戦で爆発した打線も渡辺(俊)投手の投球術にはまり1点取るのが精一杯だった。
日本シリーズ第4戦は3日千葉マリンスタジアムで行われる。
【2010年日本シリーズ第3戦結果】
中 日 0 0 1 0 0 0 0 0 0 1
ロッテ 0 0 1 4 0 0 2 0 x 7
【勝】 渡辺俊 1勝 0敗
【負】 山 井 0勝 1敗
<コメント>
プロ野球の投手と言えば、140〜150kmの直球でぐいぐい押すイメージがあり、打者もそれを意識してバッターボックスに入るケースが多いだろう。
しかし、そのスピードに慣れた事を逆手に取り100kmに満たない変化球と120km程度のストレート或いはシンカーで打者の視覚を幻惑させ、タイミングを外して打ち取る方法もある。高校生でも出せる球速でプロの打者が打ち取られる。それはまるでマジックのようである。渡辺(俊)投手がプロで生き抜く為に鍛えたであろう投球術。それが随所に表れた一戦だった。
速い球と思えば遅い球。遅い球と思えば速い球(それでも120kmぐらいの球であるが・・・。)同点に追い付こうと打ち気にはやる中日の各打者を嘲笑うかように、渡辺(俊)投手が投げたボールはことごとくバットの芯を外れ、凡打の山を築いていった。100kmに満たないボールの次に来る120kmぐらいの球は、打者にとっては感覚的に140kmよりも速く感じるのではないだろうか。追い込まれれば、球の見極めがますます難しくなるので待ち切れずについ手を出してしまう。97球と言う投球数が、中日打線がいかに早打ちだったのかを物語っている。この後どのような場面で投げるか分からないが、中日の各選手に嫌なイメージを植え付けた事だけは間違いない。
日本シリーズは3戦を終えて千葉ロッテが先行した。今日(3日)の先発が予想されている中日の山本(昌)投手も相手打者との駆け引きで勝負するタイプのピッチャーだと思う。クライマックスシリーズから続く千葉の鴎の勢いを止めるピッチングを見せる事が出来るか。勝てば王手の千葉ロッテ。そして地元に戻る為には是が非でも千葉で1つは勝ちたい中日。第4戦がこのシリーズの行方を決める大きな分岐点となるような気がする。

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