将来有望視される選手が揃った大学生投手の中でも特に注目を集めた早稲田大学の斎藤投手は4球団(ヤクルト、千葉ロッテ、北海道日本ハム、ソフトバンク)、大石投手は6球団(阪神、埼玉西武、広島、オリックス、横浜、東北楽天)から指名を受けた。抽選の結果、斎藤投手の交渉権は北海道日本ハム、大石投手の交渉権は埼玉西武がそれぞれ獲得した。
【2010年ドラフト主な指名選手(1巡目、2巡目)】
◎中 日
1 大野雄大 投手 佛教大
2 吉川大幾 内野手 PL学園
◎阪 神
1 榎田大樹 投手 東京ガス
2 一二三慎太 投手 東海大相模
◎読売ジャイアンツ
1 沢村拓一 投手 中央大
2 宮国椋丞 投手 糸満
◎東京ヤクルト
1 山田哲人 内野手 履正社
2 七条祐樹 投手 伯和ビクトリーズ
◎広 島
1 福井優也 投手 早大
2 中村恭平 投手 富士大
◎横 浜
1 須田幸太 投手 JFE東日本
2 加賀美希昇 投手 法大
◎福岡ソフトバンク
1 山下斐紹 捕手 習志野
2 柳田悠岐 外野手 広島経大
◎埼玉西武
1 大石達也 投手 早大
2 牧田和久 投手 日本通運
◎千葉ロッテ
1 伊志嶺翔大 外野手 東海大
2 南昌輝 投手 立正大
◎北海道日本ハム
1 斎藤佑樹 投手 早大
2 西川遥輝 外野手 智弁和歌山
◎オリックス
1 後藤駿太 外野手 前橋商
2 三ツ俣大樹 内野手 修徳
◎東北楽天
1 塩見貴洋 投手 八戸大
2 美馬学 投手 東京ガス
<コメント>
昨日(28日)行われたドラフト会議。高校生、大学生でプロを志す者は事前に届け出なければならず志望者の氏名が公表される為、ドラフト当日に、指名された本人もビックリするようなサプライズ色が薄れた今のドラフト会議は個人的には少々物足りない気もするのだが、これまでプロの舞台に立つ事を夢見て日々努力を積み重ね、そしてその門を叩く権利を得た選手にはひとまずおめでとうの言葉を送りたい。
さて、今回は大学生投手に有望な人材が多く、特に早稲田大の3投手と中央大の沢村投手に注目が集まった。それを反映して1巡目指名は中日を除く11球団が4投手の内、3投手に集中した。プロでどれだけ活躍出来るかは別として、どこの球団も即戦力投手を欲していた事がうかがえる現象だと思う。(宣伝効果を期待した球団もあるだろうか。)
沢村投手の交渉権は単独指名で巨人が、斎藤投手と大石投手の交渉権は抽選の結果、それぞれ日ハムと西武が獲得した。また福井投手は地元が近い広島の指名を受けた。既にプロの舞台で活躍している同期には田中投手(楽天)、前田投手(広島)、坂本選手(巨人)などがいる。彼等に追い付き、「松坂世代」のようなムーブメントをプロ野球界に巻き起こす事が出来るだろうか。
今に始まった話しではないがやはり今年も投手、それも即戦力が期待される大学生、社会人を多く採る球団が目立った。また独立リーグ出身の選手が何選手か指名された。プロを目指す者の受け皿になると言う役割はある程度果たされていると言えるのではないだろうか。
一方、今年は小粒と言われた高校生の上位指名は限定的だった。契約形態が複雑になり、更にFA制度が出来て選手と球団の関係が昔よりもドライになったような気がするが、選手をじっくり育てる余裕がどの球団も無くなって来ていると言う事か。それとも、そのような選手は育成枠から見い出そうとしていると言う事なのか。
68人の選手と育成枠で選ばれた選手の殆どが来シーズンそれぞれのチームのユニフォームを身につけスタートラインに立つ。選ばれてからは指名順など関係ないのがプロの世界である。スペースの関係で2巡目までの選手しか紹介しなかったが、勿論これ以外の選手がスターの座を射止める可能性が十分あるのは、過去の歴史を見ても明白である。果たして球界を代表する選手がこの中からどのくらい現れるのか。その答えが出るのを楽しみに待ちたい。

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