中日先発の山井投手、巨人先発の朝井投手が互いに好投し4回まで0−0。投手戦となった試合の均衡が破れたのは5回表。巨人がこのステージ好調の脇谷選手のタイムリー二塁打で先制すると続く6回にも追加点を上げ試合を優位に進めた。8回裏に同点に追い付かれたが、9回表阿部選手が、中日抑えの岩瀬投手からホームランを放ちすぐさま勝ち越し、そのまま逃げ切った。これで対戦成績は中日の3勝1敗となった。
セ・リーグのクライマックスシリーズ第4戦は23日もナゴヤドームで18時から行われる。
【セ・リーグCSファイナルステージ第3戦試合結果】
巨 人 0 0 0 0 1 1 0 0 1 3
中 日 0 0 0 0 0 0 0 2 0 2
<コメント>
クライマックスシリーズのファイナルステージは日本シリーズ同様、先に4勝した方が優勝となる。しかし、両者には大きな違いが主に3つある。1つはレギュラーシーズン1位のチームに1勝分のアドバンテージが付く事、2つ目は試合を行う球場が全試合同じ(レギュラーシーズン1位の本拠地)である事、そして3つ目は休養日がない事である。「流れ」が重要な要素の1つである短期決戦。インターバルがない事で、劣勢に立たされているチームが相手に傾いた流れを引き戻すのは容易な事ではない。
このステージは第3戦が始まる前までは、流れが中日に大きく傾いていた。得点欠乏症に陥ってしまった巨人打線や、中日が本拠地ではめっぽう強い事を考慮するとこの試合で決着が付いてもおかしくない状況となっていた。そして迎えた第3戦。崖っぷちに立たされた巨人が勝って一矢を報いる結果となった。
日本シリーズに進む為には4連勝するしかない巨人は朝井投手が中日打線を1安打に抑える好投を見せこの試合の流れを作った。昨日まで沈黙していた打線も、爆発するまでには至らなかったが、ようやくチャンスに1本が出るようになった。1番に入っている脇谷選手が好調なだけに後に続くバッターがどれだけ奮起するか。長らくナゴヤドームでは勝てなかったがようやく呪縛から解き放たれた。明日なき戦いを続けるジャイアンツ。不利な状況に変わりはないがこの勝利でほんの少しだけ希望が見えて来たと言えるだろうか。
一方の中日先発の山井投手も2失点では責められないだろう。この試合は打線が援護出来なかった。その中でも代打でホームランを放った野本選手など収穫もあった。先発投手のコマはまだ残っており、連投の中継ぎ陣を休ませる事も出来た。負けはしたが有利な状況に変わりはない。敢えて気になる点を挙げるとすれば、抑えの岩瀬投手がホームランを打たれて負けた事だろうか。同点の場面で抑えのエースをマウンドに送り込んだ落合監督の真意は分からないが、2−2となった事で仮にこの試合で一気に決めると言うメッセージを選手に送るつもりで登板させたのだとしたら・・・。クライマックスシリーズではセ・リーグ、パ・リーグ共に投手起用が、流れが変わる1つの要素となっているが第4戦以降、中日に傾いているステージの「流れ」にどんな影響が出るか。中日有利な状況の中で、あくまで「敢えて気になる点」なのではあるが・・・。

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