日本は前半19分に長谷部選手(ウォルフスブルク)のシュートをGKがはじき、こぼれたボールに走り込んだ岡崎(清水)選手が決めて先制すると、その後のアルゼンチンの攻撃を凌いだ。
ザッケローニ監督が初采配を振るうと言う事で注目を集めた試合で勝利を収めた日本代表は12日、韓国とソウルで国際親善試合を行う。
【試合結果】
日 本 1−0 アルゼンチン
(得点者)
前19分 岡 崎
<コメント>
ザッケローニ監督が日本代表監督に就任して初めてベンチで指揮を執ると言う事、その相手が世界の強豪アルゼンチンと言う事で注目を集めたこの試合で、「ザックジャパン」が勝利を収め好スタートを切った。
世界最高峰のプレーヤーであるメッシ選手を筆頭にテベス、ミリート、イグアイン等ヨーロッパのトップリーグで活躍する選手が多く来日したアルゼンチン。日本で行われた親善試合でこれだけの選手を揃えて来日した国がかつてあっただろうか。まずはこれだけの選手を揃え怪我の影響の為、当初顔見せ程度と言われていたメッシ選手を最後まで出場させてくれたアルゼンチンの関係者に敬意を表したい。
ザッケローニ監督率いる新生日本代表にとってこれ以上ない相手。そのザックジャパンのスタメンの顔触れを見ると11人の内、7人が海外組。W杯南アフリカ大会では、お隣韓国のスタメンの殆どが海外組だったが、日本もいよいよそんな時代に突入したかと思いながら試合を見ていた。その大会での躍進がなければW杯後、海外に渡る選手がこれほど多くはならなかったのだろうが・・・。
さて試合の方は、日本が全体を通してアグレッシブなプレーを見せた。ザッケローニ監督は合宿中、縦への突破を意識付けさせたようだが、ブンデスリーガで目覚しい活躍を見せている香川選手を始め、これまでの代表戦でありがちだった意味のない横パスではなく縦にボールを運びシュートまで持って行く意識が見られた事は評価して良いと思う。
一方のディフェンスは、中盤でのプレスが効きアルゼンチンのミスを誘った。W杯で見せた守備力をそのまま発揮した。試合の終盤はアルゼンチンのパスワークに翻弄されながらもゴールを割らせなかったのは、チームとしてW杯での経験が活きたと言えるだろうか。
試合終了後、メディアや各新聞は「歴史的な勝利」と称えていた。確かにこれまで勝てなかったアルゼンチンを下した事は今後の自信に繋がると思う。一方で昨日のアルゼンチンは本来のアルゼンチンではなかったと言う事も忘れてはならない。香川選手が試合後のインタビューで「相手は本気ではなかった。」と語っていたが、アルゼンチンの動きが鈍かったのも確かだ。それでもメッシ選手は、日本のディフェンスを切り裂き決定的なパスを繰り出し見ている者を唸らせた。恐らく来年日本が招待を受けている来年のコパ・アメリカ(南米選手権)では今回のようには行かないだろう。逆に今回と同じような結果を残せば、本当の意味で世界を驚かす事になると思うが・・・。
今回の勝利を「勝っちゃった」ではなく「勝った」と印象付ける為には、12日に行われる韓国戦が重要になる。今年最後となる代表戦で来年以降に繋がるような結果、内容を残す事を期待したい。

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