一方の2歳王者、ローズキングタムが最後の直線で伸びを欠き4着に敗れ、ダービーの優先出走権を確保するのがやっとだった。
牡馬クラシック第2弾、東京優駿(日本ダービー)は5月30日、東京競馬場で行われる。
【第70回皐月賞競走成績】
1着 ヴィクトワールピサ 岩田康誠 2分00秒8
2着 ヒルノダムール 藤田伸二
3着 エイシンフラッシュ 内田博幸
4着 ローズキングダム 小牧 太
5着 アリゼオ 横山典弘
<コメント>
週末は急用で遠方に出掛けていたため皐月賞の予想はお休み、レースの模様もさっきJRAのホームページで確認した次第である。
昨秋行われた新馬戦で対決したローズキングダムとヴィクトワールピサが、その時以来顔を合わせると言う事で注目を集めた皐月賞。新馬戦ではローズキングダムがヴィクトワールピサを下し、その後2歳チャンピオンに輝いてクラシック候補1番手にに名乗りを上げた。しかし一冬越して再会した両者の立場はこのレースですっかり逆転した事を印象付ける結果となった。
ローズキングダムに土を付けられて以降、前走の弥生賞を含めて4連勝。堂々の1番人気でクラシック最初の舞台に臨んだヴィクトワールピサは、これまでのレースで培った力をいかん無く発揮した。武豊騎手の代役、岩田騎手が最後の直線で敢えて荒れている最内を突いたが怯む事なく鋭い末脚を見せると馬場の中央でもがくローズキングダムを問題にしなかった。2着に入ったヒルノダムール、3着のエイシンフラッシュも追い付く事は出来ず、ヴィクトワールピサの強さだけが際立つ結果となった。今のまま順調に調整を続ける事が出来れば距離も直線も長くなるダービーでは更に差を広げるのではないだろうか。どんな走りを見せるか今から楽しみだ。
一方、2歳チャンピオンらしく最後の直線で馬場の中央を通りながら伸びを欠き、ダービーの優先出走権を獲得するのがやっとだったローズキングダム。デビュー以来減らし続けた馬体重はこのレースでも回復しなかった。直線の長い東京コースで昨冬の強さが蘇るか。再び王者に返り咲くには馬体の成長と良馬場と言う条件が付きそうだ。
両者が相対した新馬戦では、3着に入ったモーニングフェイスも忘れな草賞を勝っている。この後は恐らくオークスに進むだろう。このレースが「新・伝説の新馬戦」と呼ばれるようになるのか。更に今年はディープインパクトの仔がデビューし、ヴィクトワールピサの乗り役には武豊騎手が戻るようだ。この後、何か大きなドラマが起きるような予感がする。
ところでその武豊騎手。一昨年行われた「伝説の新馬戦」上位組で、唯一取り残されたリーチザクラウンが、土曜日に行われたマイラーズCを勝って安田記念への足掛かりを掴んだ。そして今回、皐月賞を制したヴィクトワールピサ。共に武豊騎手のお手馬であるが、昨年縁の無かったGTタイトルを今年は獲得出来るチャンスが巡って来ているだけに早く復帰したい所だろう。この週末、どんな思いでレースを見ていたのだろうか。

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