スタート後、オウケンサクラが先手を取る形でレースは進み、先団でレースを進めていたアパパネが、ゴール前で逃げ粘るオウケンサクラをかわしてゴール板を通過し人気に応えた。2着に最後まで見せ場を作った3番人気のオウケンサクラ、3着エーシンリターンズ、4着ショウリュウムーンとチューリップ賞上位組がこのレースでも上位を占める結果となった。
春のGTシリーズ。次回は牡馬クラシックレース第1弾、皐月賞が18日、中山競馬場で行われる。
【第70回桜花賞競走成績】
1着 ◎アパパネ 蛯名正義 1分33秒3
2着 △オウケンサクラ 安藤勝己
3着 エーシンリターンズ 福永祐一
4着 ▲ショウリュウムーン 佐藤哲三
5着 ×アプリコットフィズ 横山典弘
4着までにオークスの優先出走権が与えられる。
<コメント>
本命馬不在で混戦が予想された70回目の桜の舞台だったが、上位陣の顔触れを見ると、トライアルレースのチューリップ賞の上位組がそのまま上位を占め、5着にもクイーンC優勝馬のアプリコットフィズが入る等、終わってみれば実力が反映される結果となった。
その中で主役の座を射止めた2歳女王アパパネ。3歳乙女にとって堪えるであろう長距離輸送がネックとなり、過去のこのレースで関東馬が活躍するシーンは余り見られなかったが、アパパネはこのレースを見据え約2ヶ月前から栗東に入厩し調整を続けていた。いわゆる「栗東留学」組である。輸送の問題がクリアされた同馬にとって、「我が庭」である阪神競馬場での快走劇は必然だったと言えるのかも知れない。
さて1つ目のクラシックタイトルを獲得したアパパネには、オークス制覇の期待が懸かる。母系が短距離系である事やスタートして最初の方で掛かっていた事を考えると、距離克服が最大の課題と言えそうだが樫の舞台での走りに注目したい。
樫の舞台と言う点では2着に入ったオウケンサクラの方が主役候補となり得るだろうか。今回のレースではアッと驚く逃走劇を見せゴール前でも粘って見せ場を作った。血統を見ると距離は問題なさそうで、むしろオークス向きとも言える。厳しいローテーションをこなしただけにこの後の馬体回復がうまく行くかがポイントとなるだろう。
牝馬クラシック第1弾、桜花賞は荒れる事なく終わった。次は牡馬クラシック第1弾皐月賞。新馬戦以来の対戦となるローズキングダムとヴィクトワールピサの一騎打ちになるのか。それとも風穴を開ける馬が現れるのか。牡馬のクラシック戦線も楽しみである。

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