2010年03月09日

連休を分散させるとは言うけれど…  【時事  連休分散化】

  観光が集中する5月の大型連休の分散化を図ろうと、地域ごとに異なる時期に大型連休を取得する「祝日法改正案」が、今国会にも提出されることになった。憲法記念日など記念日自体は変えないが「◯◯地方は5月第2週に取得」などと定めて、その地方では最低限、官公庁や公立学校は休みになる仕組み。混雑緩和で観光需要を喚起する狙いがある。政府は「休日革命になる」と意気込む。

 政府の観光立国推進本部(本部長・前原誠司国土交通相)が、「休暇分散化ワーキングチーム(WT)」(座長・辻元清美国土交通副大臣)を設置して検討している。平成23年度の実施を目指している。

 
<コメント>
  今回は、先週ニュースで取り上げられていた「連休分散化」について書きたいと思う。

   政治とカネの問題や米軍普天間基地移設問題など様々な問題を抱えている政府であるが、最近、大きな話題になりつつある「連休分散化」。我々の生活に直結する話だけにその動向が気になる所である。

  今回の話は、日本が「観光立国」を目指すべく通常のG.Wの時期に人の移動が集中し観光地等が混雑していたのを地域毎に休みをずらして分散させようと言うもので、既にフランスなどでは導入されている制度であり、発想としては面白いと思う。
  G.Wはどこの観光地や交通網も混雑し疲れだけが残ってしまう、と言うのがこれまでのケースだった。人の流れが分散すれば、出掛ける人の満足度も高まり、収入が得られる時期が限られる観光業界にとっては大きなメリットがあるだろう。

  しかしこの話を今すぐ実行に移す必要があるのかどうか甚だ疑問である。政府は再来年の実施を目指しているようだが、クリアすべき課題が山積しているように思える。

 まず、従来祝日だった日の存在意義はどうなるのか。祝日にはそれぞれ名称があり、それについて考えると言う意味合いもある。憲法記念日、こどもの日が平日となり、その事が形骸化しないだろうか。
  
  労働環境を考えると、例えば全国に支店を抱える企業は本社が営業しているのに支店の従業員は休めるのか。取引先は休めるのか。極端な話ではあるが結局、本社や親会社と休みを合わさざるを得なくなり今までと同じ事になるか或いは休みづらいケースが増えてくるような気がする。(本社機能が全国各地に分散していれば効果はあると思うのだが・・・。)

  他にもG.Wに合わせて行われていたイベント、スポーツイベントの集客の問題や、細かい所では遠方の友人と休みが合わせにくくなる事、小生の経験した仕事だと、1年で数少ないまとまった休みに行う事が多かったシステムのメンテナンスや更新作業を行う日をどう確保するのか等など・・・。問題となりそうな点を挙げればキリがないのだが、現状ではデメリットの方が多くあるような気がしてならない。


   上に書いた通り発想としては面白い。政府の意気込みも分からなくもないのだが、他に議論すべき政策課題は山ほどある。そちらの目処がついてから議論を始めても遅くはないと思うし、何より地方がもっと主体的に物事を決める事が出来る環境が整わないと成り立たないと思う。
   拙速な行動は経済だけでなく我々の生活を混乱させるだけのような気がするのだが、それでも政府はこの政策を実行するのだろうか。














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posted by スポーツ職人201X at 22:41| 東京 🌁| Comment(0) | TrackBack(5) | 時事などスポーツ以外 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする