また、世界が注目した女子フィギュアスケートのフリーが14日目に行われ、ショートプログラム2位からの逆転を狙った日本の浅田真央選手は2度のトリプルアクセルを成功させたものの、その後のジャンプでミスが続き金メダル獲得はならなかった。優勝はショートプログラム首位だった韓国のキムヨナ選手だった。
【スピードスケート女子団体追い抜き結果】
1位 ドイツ
2位 日 本
3位 ポーランド
【女子フィギュアスケート最終結果】
1位 キム・ヨナ(韓 国) 228.56
2位 浅田 真央(日 本) 205.50
3位 ロシェット(カナダ) 202.64
4位 長洲 未来(アメリカ)190.15
5位 安藤 美姫(日 本) 188.86
8位 鈴木 明子(日 本) 181.44
<コメント>
バンクーバーオリンピックも終盤戦を迎えた。まずはスピードスケートの女子団体追い抜きから。
団体追い抜き=パシュート。英語で表記すると「pursuit」となり「追跡」とか「追いかける」と言う意味になる。自転車競技やスキーのクロスカントリーに同じような種目がある。
そのスピードスケート女子パシュートで日本が銀メダルを獲得した。スピードスケートの女子銀メダル獲得は史上初である。
初戦で世界ランク1、2位のカナダ、ロシアが敗れ3位の日本にメダル、しかも一番良い色のメダルの可能性が広がった。今朝、Liveで競技の模様を見ていたが(勿論テレビで・・・)決勝のドイツ戦も終始リードを保ち、優勝の2文字が見えてきたと思った所で最後に逆転されてしまい、金メダルがスルリと逃げていった。その差、0.02秒差。ほんの僅かの差で金メダル獲得はならなかったが、3選手は良く頑張ったと思うし個人的な意見であるが、誰が見ても納得の行く銀メダル獲得の様子を見てスッキリした。採点で物議を醸したフィギュアスケートを見た後だけに…。
その女子フィギュアスケート。平日に行われたのでリアルタイムで見る事は出来ず、主な選手の演技も昨日見た所である。
トリプルアクセル。世界でもこの大技を行える女子選手が少ない中で、理想を追い求めた浅田選手。一方、その理想を捨てその代わり完璧と言う新たな理想を追い求めたキム・ヨナ選手。このオリンピックで追い求めた理想を実現させたと言う意味では、両者とも「勝利者」なのかも知れない。
しかし非情ではあるが、優劣を付けなければならないのが勝負事である。勝利の女神が微笑んだのは、勝負に徹し完璧を追求した者の方だった。
上位選手のフリーの演技構成を見て気が付いた事がある。3回転で最も難度が高いトリプルアクセルを跳んだのは浅田選手ただ1人だったが、次に基礎点が高いルッツジャンプを跳ばなかったのも浅田選手だけなのである。しかも殆どの場合、他のジャンプと組合わせているケースが多いので成功すれば基礎点が跳ね上がる。ジャンプに失敗すると厳しく減点される今の採点方式だと最も難度が高い技を敬遠するのは、当然の流れなのかも知れない。プルシェンコ選手はそれこそがフィギュアスケートの技術の後退を意味する、と言うような事を言っていた。それを承知でトリプルアクセルを成功させた浅田選手は立派だと思うが、そこで大きく加点されないと苦しいと言うのも事実である。
大技を成功させた者が報われるべきか。それとも完璧に演技をこなした者が報われるべきか。タイムレース等と違って、結果に人が介在するスポーツだけに、今の採点方式が正しいのかどうかも含めて難しい問題である。今後どちらに転んでも異論は残るような気がする。それが色んなドラマを生み、オリンピックが行われる度に注目される1つの要素にもなっているのだが…。4年後はどんなフィギュアスケートになっているのだろうか。
終盤、日本が獲得した2つの銀メダル。見ていて違う感情を持ったそれぞれの銀メダルだった。

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